
知性の顚覆 日本人がバカになってしまう構造 (朝日新書)
橋本 治
累計読者数9
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star総合評価 57/100
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この本について
最近、人と話していて「なんでこんなに不機嫌そうなんだろう」と感じることが増えました。自分も気づくと同じで、忙しさとか正しさとかに押しつぶされて、ものの見方がどんどん狭くなっていく瞬間があります。経験だけで判断してしまったり、違う考えに耳を貸す余裕がなくなったり。頭では分かっていても、気持ちがついてこないあの感じです。 橋本治さんの『知性の顚覆』は、そんなモヤモヤを一度立ち止まって見つめ直すきっかけになります。大げさな処方箋をくれるわけではないけれど、「人が不機嫌になると理性をはねつける」「知識がないと世界は暗闇になる」という指摘が、自分の実感と妙に重なるんですよね。経済や社会の構造の話がたくさん出てきますが、読んでいると「自分の欲望の扱い方」や「経験に頼りすぎる危うさ」が、いまの生活そのものに跳ね返ってくる感覚があります。 特に刺さったのは、「差異化」が当たり前すぎてみんなが自縄自縛になっている、という視点です。SNSで目立たなきゃ、成果を出さなきゃ、と焦るほど逆に判断が浅くなるあの感じが、社会構造として描かれると少し距離ができて、自分の立ち位置を整えやすくなりました。大きくなることを正義にしない、という発想も、疲れ切ったときの心にすっと入ってきます。 自分の思考が狭くなっている気がする人、あるいは世の中の空気に飲まれている感じがする人には、静かなところで効いてくる本だと思います。
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