
蜜柑
芥川 竜之介
三和書籍 / 2020-08
累計読者数3
平均ハイライト数 1.7件/人
推定読了時間 約6時間29分
star総合評価 34/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 31%
この本について
忙しい日々のなかで、理由のはっきりしない倦怠やモヤモヤに包まれることがありませんか。特別つらい出来事があるわけでもないのに、なぜか気持ちが沈む。ニュースを眺めても心が動かず、自分だけが取り残されているような感じがする。そういうときって、誰にでもありますよね。 芥川龍之介の「蜜柑」を読むと、その停滞感にそっと風を入れてくれるような瞬間があります。列車の中で主人公が抱え込む「不可解で退屈な人生」という感覚は、いまの私たちにもそのまま重なります。夕刊を眺めても何も変わらない。自分の疲れや憂鬱はどこにも行かない。そんな気持ちに寄り添いながら、物語はたったひとつの行動によって景色が反転する瞬間を描いています。 それは大げさな話ではなく、小さな出来事が思いがけず気持ちの淀みをゆるめてくれる、そんな経験に近いものです。自分の世界が閉じているときでも、誰かのささやかな仕草がふっと呼吸を戻してくれることがある。作品を読むと、その感覚が静かに思い出されます。だからこそ、人生をいきなり肯定するわけでもなく、「少しだけ軽くなる瞬間ってあるよね」と肩を並べてくれるような距離感があります。 特に、なんとなく心が重いまま毎日を続けている人に刺さる短編です。
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出版社による紹介
芥川 龍之介(著) A5判 320ページ 価格 3,500円+税 ISBN978-4-86251-401-1 第2巻として「蜜柑」「トロッコ」「あばばばば」「少年」「葱」「玄鶴山房」「影」「片恋」「ひょっとこ」の9作を大活字、読み仮名付きで収載している。「蜜柑」は、横須賀線を利用していた芥川の体験をもとに描いている。「トロッコ」は、少年が大人の世界を垣間見る体験を綴った短編小説である。他にも実生活を取材した私小説など、多岐に渡る作品が揃っている。 目次 蜜柑 トロッコ あばばばば 少年 葱 玄鶴山房 影 片恋 ひょっとこ 著者プロフィール 芥川 龍之介(アクタガワ リュウノスケ) 1892(明治25)年 東京府京橋入船町に新原敏三の長男として生まれる。11歳のときに母が死去し、後に、叔父・芥川道章(母の実兄)の養子となって芥川姓を名乗る。東京帝大英文科に進み、久米正雄、菊池寛らと知りあって第3次「新思潮」に参加する。漱石の知遇をえて師事し、第4次「新思潮」創刊号掲載の「鼻」が漱石の絶賛を受けて、一躍、大正文壇の寵児となる。近代日本小説の礎となる短編の傑作を多数発表したが、1927(昭和2)年、服毒自殺をとげる。享年35歳。
目次
老年 青年と死と ひょっとこ 孤独地獄 虱 野呂松人形 猿 煙管 MENSURA ZOILI 二つの手紙 女体 黄梁夢 英雄の器 蜜柑 沼地 葱 尾生の信 黒衣聖母 女 影
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