
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)
沼田まほかる
幻冬舎 / 2009-10-06
累計読者数3
平均ハイライト数 2.3件/人
推定読了時間 約3時間50分
star総合評価 35/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 31%
この本について
人間関係でつまずいたときって、理由がはっきりわからないのに、体のどこかだけがずっと重い…みたいな感覚が残ることがあります。頭で整理しようとしても噛み合わなくて、「なんでこんなにしんどいんだろう」と自分でも説明できないまま日常だけが流れていく感じ。僕自身、この手のモヤモヤに何度も飲まれてきました。 沼田まほかるさんの『彼女がその名を知らない鳥たち』を読んだときに驚いたのは、あのモヤの正体を物語のなかにそのまま置いてくれていたことです。読者が保存していた一節にある、凝りを押したり撫でたりしているうちに核心に触れてしまう感覚。複雑に見えるものが、最後は単純な式に収束してしまうあの比喩。まさに、人間の感情ってこういうふうにほぐれていくよな…と変に納得してしまいました。頭で考えても追いつかない部分を、身体の感触に近い形で描いてくれる小説って、あまりない気がします。 この作品が効くのは、答えを教えてくれるからではなくて、ぐちゃぐちゃに絡まった感情をそのまま抱えている登場人物を通して、自分の「痛いところ」がどこにあるのかを静かに思い出させてくれるところです。誰かを好きになることの残酷さや身勝手さを、きれいに整えずに提示してくれるので、読後に少し呼吸がしやすくなる人もいると思います。 「気持ちの整理って、理屈だけじゃ無理だよな…」と感じている人にこそ刺さる一冊でした。
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出版社による紹介
八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが……。衝撃の長編ミステリ。
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