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虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

伊藤 計劃

早川書房 / 2007-06

累計読者数72
平均ハイライト数 8.5件/人
推定読了時間 約5時間38分
star総合評価 61/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 47%

この本について

ときどき、自分の感情や判断って、本当に自分の意思なのか分からなくなることがあります。ニュースを見て焦ったり、誰かの強い言葉に引っ張られたり、気づけば「なぜそう思ったのか」が曖昧なまま動いてしまう。頭では冷静でいたいのに、心が先に反応してしまう感じです。 『虐殺器官』を読んでいると、そのモヤモヤを真正面から突きつけられます。音や言葉が思考をバイパスして感情に触れてしまうこと。人は完全に忘れられないし、完全に理性的にもなれないこと。自由とは、選べるということ以上に「選ばざるを得ない状況で、何を捨てるか」を自分で引き受けること。物語の中の極端な状況なのに、日常の行動レベルで思い当たりすぎて、読んでいて何度も手が止まりました。 この本の効き方は、決して分かりやすい勇気をくれる類ではありません。ただ、自分の感情がどうショートカットして判断を決めてしまうのか、あるいは他人の言葉がどう侵入してくるのかを、いつもより一歩深い場所で見つめ直すきっかけになります。選択に迷いがちなとき、その迷い自体を「人間の構造」として扱えるようになるというか、無理に正しさを決めなくても、自分の立ち位置を少しだけ持ち直せる感覚があります。 「感情と理性のあいだでもがいている自覚がある人」に、静かに刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

9・11以降、激化の一途をたどる“テロとの戦い”は、サラエボが手製の核爆弾によって消滅した日を境に転機を迎えた。先進資本主義諸国は個人情報認証による厳格な管理体制を構築、社会からテロを一掃するが、いっぽう後進諸国では内戦や民族虐殺が凄まじい勢いで増加していた。その背後でつねに囁かれる謎の米国人ジョン・ポールの存在。アメリカ情報軍・特殊検索群i分遣隊のクラヴィス・シェパード大尉は、チェコ、インド、アフリカの地に、その影を追うが...。はたしてジョン・ポールの目的とは?そして大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?―小松左京賞最終候補の近未来軍事諜報SF。
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