
殺人勤務医 (角川ホラー文庫)
大石 圭
KADOKAWA / 2002-03
累計読者数3
平均ハイライト数 11.3件/人
推定読了時間 約3時間52分
star総合評価 60/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 73%
この本について
仕事でも日常でも、表では普通に振る舞っているのに、心の奥では説明しづらいドロッとした感情を抱えることってありますよね。理不尽にぶつかったり、自分の中の黒い部分を見たくなくなったり。そんな時に、あえて“極端な闇”に触れることで、自分の感情の輪郭が少しだけはっきりすることがあります。 『殺人勤務医』を読んでいて思ったのは、読者が保存している場面が、単なる残酷描写というより“感情のねじれ”に反応しているということでした。鎖につながれた犬や、弱いものに対する異様なこだわり、異常な暴力の裏にある静かな日常の温度差。その振れ幅の大きさが、自分の中の言葉にしづらい違和感とどこかつながるんですよね。主人公の歪んだ独白は、もちろん共感するためのものではなくて、「自分の中にも変なスイッチってあるよな」と気づかされる鏡のような役割をしてくれます。 特に、日常の細部がさらっと書かれている一方で、地下室の描写や処置の手つきが淡々としている部分は、“人はここまで分断できるのか”という怖さと同時に、自分が日常で抱えている小さな葛藤を見つめ直すきっかけにもなります。読んで気持ちよくなる本ではないですが、だからこそ、自分の中の影に触れてみたい時に効いてくる一冊だと思います。 日常の裏側にあるざらつきをちゃんと感じたい人に刺さる作品です。
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出版社による紹介
中絶の専門医である古河は、柔らかい物腰と甘いマスクで周りから多くの人望を集めていた。しかし彼の価値観は、母親から幼いころに受けた虐待によって、大きく歪んでいた。食べ物を大切にしなかった女、鯉の泳ぐ池に洗剤を撒いた男。彼は、自分が死に値すると判断した人間を地下室の檻に閉じこめ、残忍な手段で次々と殺していく。猟奇の陰に潜む心の闇をリアルに描き出した気鋭の衝撃作!
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