
新規事業がうまくいかない理由―「プロ」が教える成功法則
坂本 桂一
東洋経済新報社 / 2008-09
この本について
新規事業に関わっていると、「そもそも何をもって成功と言えるのか」とか、「この投資は本当に意味があるのか」とか、答えのない問いにずっとつきまとわれますよね。周りは既存事業の常識で語ってくるし、自分の判断基準も揺れる。僕自身、そこで何度も足が止まりました。 この本が効いたのは、キレイな理論よりも、現場で迷ったときの“物差し”をくれたところです。たとえば、赤字を何年許容するのかを先に決めておく、評価は売上ではなく事業メカニズムを毎日どう見直したかを見る、など、実際の行動にまで落とせる考え方が多い。さらに、社内起業ではモチベーションが低い前提で設計した方がいい、といった現実的な視点も、妙な理想論よりずっと救われました。 読んでいて一番刺さったのは、「新規事業は失敗するもの」という出発点を前提にしたうえで、どう成功確率を少しでも上げるかを淡々と語っているところです。量ではなく質を見る、役員会ではなく当事者が決められる環境をつくる、一軍人材を本気で投入する。華やかさはないけれど、現場にそのまま持ち込める示唆ばかりです。 既存事業の常識に縛られたまま新規事業を任されている人や、「判断軸がないまま走らされている気がする」と感じている人には、とくに刺さると思います。自分の迷いを、一歩ずつ言語化してくれるような一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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