
方丈記(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)
武田 友宏
累計読者数3
平均ハイライト数 2件/人
推定読了時間 約3時間47分
star総合評価 32/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 31%
この本について
仕事でも日常でも、同じところをぐるぐる回っているような感覚になることがあります。人間関係も社会のニュースも、自分ではどうにもできない濁りを前にすると、ただ疲れてしまうだけの日もあります。とはいえ「全部切り捨てて生きる」なんて器用なこともできない。その狭間でどう視点を持ち直すかが、ずっと個人的なテーマでした。 『方丈記 ビギナーズ・クラシックス』を読むと、800年以上前の鴨長明もまったく同じ場所でもがいていたことが、妙に胸に落ちます。「朝に死に、夕べに生まるるならひ」という、人生のあやうさを言い切る一文。世界の流れに振り回されながらも、心の置きどころを探すために“観”と“感”を分けて向き合おうとする態度。そして結局は、仏の道に向かいながらも風雅を捨てきれず、ひとりの人間として揺れ続ける長明。崇高でも悟りきってもいない、等身大の迷いが続くところに、今読む意味があります。 この本が効くのは、世界の濁りにうんざりしながらも、感性まで手放したくはない人です。長明が見た「あさましい世のしわざ」に対する嘆きは、現代の私たちの疲れとほとんど差がありません。そのうえで、ものの見方を少しだけ深くするヒントが、丁寧な現代語訳と解説のおかげで拾いやすい。大きく変わるというより、視点が一段静かになる感覚に近いと思います。 自分の感受性を守りながら、どう世界と距離を取るかに悩んでいる人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
うち続く天災と、源平争乱という大きな渦の中で生まれた無常の文学。
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