
みずうみ(新潮文庫)
川端康成
新潮社 / 1960-12-27
累計読者数3
平均ハイライト数 4.3件/人
推定読了時間 約1時間38分
star総合評価 41/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 29%
この本について
日々の生活の中で、自分でも説明しにくい不安やざわつきにのまれることがあって、「何に怯えているのか、自分でもよくわからない」という感覚に落ちることがあります。表向きは普通に振る舞えていても、足もとだけずっと揺れているようなあの感じです。 川端康成の『みずうみ』の抜粋を読んでいると、読者が保存したいと思った場面がどれもその“揺れ”に直結しているように見えます。銀平が古着を捨てることすら犯罪のように感じたり、美しい他人に出会ってしまった瞬間に自分の感情を持て余したり、女と歩きながらも自己嫌悪に引きずられていく様子は、誰にも説明できないまま胸の奥でざわつく気配そのものです。正しくもないし、美しくもない。けれど人間ってこういう瞬間のほうが多いよな、と静かに思わされます。 この小説が効くのは、銀平の行動を通して、理由のわからない不安や衝動が「ただそこにあるもの」として描かれているところです。理解しようと力むより、まず“そう感じてしまう時がある”という事実を受け取れる。もう一つは、景色の描写に自分の感情が溶けていくような感覚があって、心がざわつく瞬間の輪郭が少しだけつかめるところです。霧の軽井沢や氷の張った湖面のイメージが、自分の中の得体の知れない揺れとつながっていく感じがあります。 人の心の暗がりに妙な親近感を覚えるタイプの人に、静かに届く一冊だと思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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出版社による紹介
美しい少女を見ると、憑かれたように後をつけてしまう男、桃井銀平。教え子と恋愛事件を起こして教職の座を失ってもなお、異常な執着は消えることを知らない。つけられることに快感を覚える女の魔性と、罪悪の意識のない男の欲望の交差――現代でいうストーカーを扱った異色の変態小説でありながら、ノーベル賞作家ならではの圧倒的筆力により共感すら呼び起こす不朽の名作である。
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