
きのうのH。 私の場合
主婦の友社
主婦の友社 / 2013-09-10
この本について
人との距離が近い話になると、どこまで正直でいていいのか分からなくなることってありませんか。恋人に自分の性の癖や経験をどう伝えればいいのか、あるいは言えないままモヤモヤを抱えている…そんな場面は、誰にでも少しは心当たりがあると思います。黙っていても苦しいし、かといって全部をさらけ出す勇気も出ない。そのはざまで揺れる感覚って、意外と日常的ですよね。 『きのうのH。私の場合』に出てくる女性たちも、派手な体験談に見えて、根っこにあるのはとても素朴な葛藤です。職業を言えないまま相手に求めることが伝えられなかったり、経験の差をどう扱えばいいか迷っていたり。読者が抜粋しているあたりを見ると、刺激的な描写そのものより、「言いたいのに言えない」「相手との距離感を測りかねている」といった、関係の温度差に心が動いているのかなと思いました。そういう揺れが、具体的な会話やシーンを通して描かれているので、自分の過去の場面がふとよみがえる人もいるはずです。 この本が効くのは、性の話そのものを学ぶというより、自分の“振る舞い方”を考えるきっかけになるところです。例えば、言いにくさの正体が「相手にどう見られるか」なのか「自分で許せていない部分」なのかが少し整理できたり、相手との距離を測るときにどんな選択肢があるのかが見えてきたり。派手な世界の話だからこそ、かえって自分の悩みが相対化される瞬間もあります。 「正直でいたいけど、どう扱えばいいか分からない経験がある人」には、とくに静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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