
日本美を哲学する あはれ・幽玄・さび・いき
田中久文
青土社 / 2013-08
この本について
日々の景色を見ていて、「なんでこんなに心がざわつくんだろう」とか、「感情の波に理由をつけられないまま過ぎていくな」と感じることがありませんか。忙しさに追われていると、自分の内側で起きている揺れを“ただの気分”として処理してしまいがちですが、本当はもっと丁寧に向き合いたい、そんな思いがどこかにある。少なくとも僕はずっとそのモヤモヤを抱えていました。 『日本美を哲学する』は、その感情の揺れを「個人的なもの」から少し引きはがしてくれる本でした。悲しみが人間にとって「客観性」と「普遍性」をもつという指摘や、「あはれ」が主観的な気分ではなく“もの”の側に宿るという考え方は、自分の感情を別の角度から眺める足場になります。何かを見て胸が痛んだとき、それを「自分のセンチメンタル」ではなく、世界に触れた結果としての反応として扱えるようになると、少し呼吸がしやすくなる。平安の人々が季節の変化から人生のはかなさを汲み取ったという話も、生活の中で感情と風景が混ざり合う感覚を思い出させてくれます。 特に刺さったのは、感情の奥に「直観」や「諦観」が同時に含まれてこそ、美としての「あはれ」が生まれるという部分でした。つらさや哀しみを“乗り越えるべきもの”としてではなく、そのまま静かに見つめたときにだけ開ける景色がある。これは、感情に理由をつけたがる現代の思考から、そっと離れるきっかけになると思います。 日常の小さな揺れに意味を見いだしたい人、あるいは感情の扱い方に少し疲れている人には、とても静かに効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
目次
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




