
荘子 古代中国の実存主義 (中公新書)
福永光司
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この本について
忙しい日常の中で、自分の判断が常識や周囲の価値観に引っぱられている気がする時があります。正しいはずなのにどこか息苦しい、というあの感じ。僕も同じで、そんな時に荘子の考え方が少しだけ視界を広げてくれました。 この本が面白いのは、荘子を「逃避の思想家」としてではなく、不自由な現実の中でどうやって自分の感覚を守るかを必死に探した人として描いているところです。分析や理屈で固めすぎると心が壊れることがあること、混沌した現実を混沌のまま受け取る方がかえって自由につながること、そして常識的な価値観では醜いとされるものの中にも真実の美を見いだす視線。そのあたりが、今の生き方にもそのまま突き刺さります。 「他人や社会との関係で身動きがとれない」「正しさよりも自分の感覚を大事にしたい」そんな人にはとくに効く本だと思います。荘子のいう“遊ぶように生きる”という姿勢は、大げさな成功論ではなく、日常の中で心を少し軽くする技術に近いです。僕自身、読んだあとに肩の力が抜けて、もう少し自分のままでいていいかもしれないと思えました。
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