
森の生活 上-(ウォールデン) (岩波文庫)
ソロー and 飯田 実
小学館 / 2016-08-10
累計読者数14
平均ハイライト数 10.5件/人
推定読了時間 約6時間12分
star総合評価 38/100
start序盤集中型
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この本について
仕事はしているのに、なぜか落ち着かない。人の目が気になって、自分の評価ばかり追いかけてしまう。あるいは、忙しさのわりに「自分の人生を生きている感じ」が薄くて、どこかでため息が出る。そんなときにソローの『森の生活』を読むと、少しだけ視界がひらける瞬間があります。 彼は、世間的な「善さ」や「立派さ」に寄りかかる生き方を淡々と疑い、ひとが褒める人生は数ある選択肢のひとつに過ぎない、と繰り返し語ります。読んでいて刺さるのは、その批評が思想の話ではなく、具体的な生活実験として語られているところです。破れたズボンをはくことのほうが正直で楽だ、とか、日の出をただ見届けることに意味がある、とか。評価や効率のスケールからいったん離れると、人間としての感覚が戻ってくるような一節が多い。 もうひとつ強いのは、「生き方は誰かに教わるものではない」という姿勢です。年長者の助言にも限界があり、経験豊富に見える人でも、実は語れない失敗を抱えている。だからこそ、自分の足で考え直すしかない。これは冷たく聞こえるかもしれないけれど、他人の基準で振り回されがちな人には逆に救いになります。 流行や常識に合わせるより、いま目の前の感覚を信じたい人に向いている本です。読んでいると、忙しさのテンポから一歩抜け出して、「いまこの瞬間」に爪先で立ち直すような感覚がじんわり残ります。
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出版社による紹介
わかりやすく、見やすく蘇った『森の生活』。 ヘンリー・D・ソローは、1800年代中期、ウォールデンの森の家で自然と共に2年2か月過ごし、内なる自然と外界の自然、そして人間社会を見つめて膨大な日記を記しました。その日記をもとに一冊に編み上げたのが本書です。邦訳は、古典の引用などから難解な書籍と言われていましたが、2004年に小学館から発売になった動物学者の今泉吉晴氏の訳本は、今泉氏自身が山小屋に30年暮らして、自然の側からの視点でソローの翻訳を続け、若々しく、読みやすく、示唆に富む内容になっています。今回の文庫では、さらに豊富な注釈を加筆。深く読み込みたい読者に対しても魅力ある内容となっています。新たに収録された写真と地図は、ソローの足跡(そくせき)をたどったH.グリーソンによるもの。ソローの文章と一緒に見ることで、ソローが感じていた自然を少しでも感じてほしいという訳者の意図によります。社会の産業化が進み始めた時代に、どのようにソローが自然の中を歩き、何を感じていたか。現代に生きる私たちも少しでも感じることができるのではないでしょうか。
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