
老子・荘子の言葉100選―――心がほっとするヒント (知的生きかた文庫)
境野 勝悟
この本について
仕事でも生活でも、気づけば「もっと頑張らなきゃ」「成果を出さなきゃ」と肩に力が入りすぎてしまうことがあります。数字や評価を追いかけているうちに、自分の心がどこにあるのかわからなくなる瞬間って、けっこう多いですよね。僕もその一人です。 この本を読んで救われたのは、老子や荘子の言葉が、いまの価値観を否定するのではなく、別の景色をそっと見せてくれるところでした。たとえば「役に立たなくても、それにはそれのよさがある」という荘子の話。仕事で成果ばかり意識していると、自分の欠点や不器用さが邪魔に思えるけれど、そこにもちゃんと“生き延びる形”がある。無理に優秀さを貼りつけないでいいんだと、呼吸がゆるむ感じがしました。 また、老子の「水のように」というたとえは、柔らかく生きることを現実的に捉えるヒントになります。人と張り合わず、器に合わせて形を変えるように、自分の居場所にうまく身を置く。その姿勢は、弱さではなく、むしろ強さなんだと気づかされます。そして「自分の利益ばかりを考えると孤独になる」という指摘は、最近の人間関係の悩みに静かに効きました。自分を後回しにしろという話ではなく、視野を少し広げるだけで、周りとの距離感が変わるんですよね。 競争や成果に疲れたけれど、ただ投げ出すのも違う気がしている人に、とても合う本だと思います。読んだ後、世界が急に正しく見えるわけではないけれど、生きる速度を少しだけ調整する感覚は、確かに残ります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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