
レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか
ヴォルフガング ヒュアヴェーガー, 長谷川 圭, and 楠木 建
日経BP / 2013-10-28
この本について
仕事で「どうすればもっと伝わるだろう」とか、「いいものをつくっても広まらないな」とか、そんな行き詰まりにぶつかることがよくあります。頑張って説明すれば伝わるはず、と信じたいけれど、現実はそこまで素直じゃない。そんなときに読むと、少し肩の力が抜けたのが『レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか』でした。 この本が面白いのは、レッドブルが“説明ではなく世界観”で勝負してきた過程を、とても具体的に描いているところです。たとえば売上の三分の一をマーケティングに投入し、商品の中身よりも「関心」という希少資源をどうつかむかに全力を注ぐ姿勢。あるいは、生産も流通も他社に任せて、企業そのものを巨大なマーケティング機構として割り切る発想。スポーツやサブカルチャーの現場に自ら入り込み、ロゴを撒き散らすのではなく、まず“場”を作ってしまう動き方。どれも効率は悪そうなのに、不思議と腹に落ちます。 読んでいて一番刺さったのは、「商品の価値より、そこで生まれる体験に対して人は対価を払う」という考えです。仕事でも同じで、説明を整える前に“どう見せたいか” “どんな感情を持ち帰ってほしいか”を決めるほうが早い場面がある。レッドブルの事例は極端に見えて、実は日々の小さなアウトプットにも置き換えられる話ばかりでした。 自分の仕事が「中身はいいのに伝わりきらない」と感じている人に、とても静かに効く一冊だと思います。
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