
悲しいだけ 欣求浄土 (講談社文芸文庫)
藤枝静男
講談社 / 1988-12-10
累計読者数3
平均ハイライト数 26.3件/人
推定読了時間 約3時間28分
star総合評価 59/100
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この本について
日々、自分の性格や癖みたいなものを変えたくても変わらない感じがあって、ふと「このまま一生いくのかな」と重くなる瞬間ってありますよね。努力とか成長みたいな言葉に乗れない日もあって、でもどこかで折り合いだけはつけたい。そんな気持ちに触れたとき、藤枝静男『悲しいだけ 欣求浄土』の抜粋を読む人が多いのはよくわかります。 この本は、いわゆる人生を明るく照らすタイプではありません。むしろ、人が抱えるどうにもならなさを、章という人物の旅や記憶の断片を通して淡々と見つめ続けます。例えば「醜い人間は一〇〇年たっても醜いまま」という独白の重さや、性や死を前にしたときの生理的な恐怖の描写、そして古い木や地層に人の思想を読むという視点。どれも、無理に前向きになれと言うのではなく、「そういう実感を持ってしまう自分」をそのまま置いてくれる感じがあります。世界の動乱や歴史の流れを前にしても、人間の現実は個人的な感覚の積み重ねでしかない、という開き直りに近いまなざしにも救われます。 自分の弱さを否定せずに、そのまま持って旅をするように生きていきたい人に刺さる本です。
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出版社による紹介
緊張した透明度の高い硬質な文体。鋭角的に切り抉られた精神の軌跡。人間の底深い生の根源を鋭く問い続ける藤枝静男の名篇「欣求浄土」「一家団欒」を含む『欣求浄土』、藤枝文学の極北と称賛された感動の名作、野間文芸賞受賞の『悲しいだけ』を併録。
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