
高慢と偏見(下) (光文社古典新訳文庫)
オースティン、小尾 芙佐
グーテンベルク21 / 2002-11-15
累計読者数3
平均ハイライト数 31.3件/人
推定読了時間 約3時間37分
star総合評価 73/100
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この本について
人づきあいで判断を誤ったり、相手の何気ない態度に過剰に揺れたりして、「自分ってこんなに物が見えてなかったんだ…」とあとから落ち込むこと、けっこうありませんか。経験値がそこそこあるはずなのに、感情が先に立つと理性がどこかへ行ってしまう。私も何度もやらかしてきました。 『高慢と偏見(下)』を読み返すと、その失敗を冷笑するのではなく、むしろ丁寧に点検してくれる感じがあります。エリザベスが、自分の偏見に気づいていく過程は、劇的というより現実的で、あの「読めば読むほどダーシーの手紙の意味が揺れる」ような揺れ方は、私たちが人間関係で迷うときの感覚にすごく近いんですよね。無意識に相手を当てはめていた枠が外れていくときの、あの気まずさと静かな解放感がそのまま描かれている。 もうひとつ響くのは、尊敬や感謝といった静かな感情が、いつのまにか愛情に変わっていく流れです。一目惚れのような派手さはないけれど、誤解がほどけ、相手の言葉を何度も読み返し、風景の見え方まで変わっていく。その変化って、自分の中を整え直す作業にも近くて、人間観察というより自己観察に近い読書になります。 派手な恋愛物語というより、「人を見る目に自信がないまま大人になってしまった人」に刺さる一冊です。暴走しがちな自分の感情を、少しだけ静かに整えてくれる物語でした。
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出版社による紹介
「イギリスの田舎に生まれたこの牧師の娘の小説の世界は、たしかに狭いもので、それは十八世紀後半の田舎紳士階級の世界である。しかしその小宇宙の中に、なんという緊張、なんという葛藤が行われていることか!」(レイモンほか)...冒頭のベネット氏夫妻の会話はすでに、この日常的な緊張をはらんでいる。皮肉の達人といわれるオースティンの代表作。
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