
高慢と偏見(上) (ちくま文庫)
ジェイン・オースティン、中野康司
グーテンベルク21 / 2002-11-15
この本について
人間関係で相手の「本音」が読めなくて、つい勘ぐってしまうことってありませんか。相手は善意なのか計算なのか、自分はどう見られているのか……考え始めると、どんどん迷路に入り込むあの感じです。最近、僕もそんなモヤモヤを抱えたまま過ごしていたのですが、『高慢と偏見』を読み返していて、少しだけ呼吸がしやすくなりました。 この物語には、社交界の駆け引きや、トランプゲームのような場面がいくつも出てきます。でも本当に刺さるのは、ビングリー姉妹の思惑に対してエリザベスが言い放つ「最初の前提が間違ってるわ」という一言や、「自尊心と虚栄心は全然違う」という静かな指摘でした。他人の行動を“こういう人だから”と決めつけてしまう自分にも、他人の目を気にして妙に背伸びしてしまう自分にも、思い当たるところが多すぎて、読んでいてちょっと背中を押されました。 この本が効くのは、誰かを見誤ったときの気まずさを知っている人や、つい他人基準で動いてしまいがちな人だと思います。登場人物たちの会話を追っていくと、「自分の見方がすべてではない」と自然に気づかされるし、他人の評価と自分の尊厳をちゃんと分けて考える感覚が戻ってきます。恋愛小説というより、人間観察の本として読むと、一つひとつのセリフが今の生活にもつながってくるはずです。 人づきあいの中で、自分の“感じ方の癖”を見直したい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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