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ボトルネック(新潮文庫)

ボトルネック(新潮文庫)

米澤 穂信

新潮社 / 2009-10-01

累計読者数6
平均ハイライト数 9件/人
推定読了時間 約3時間22分
star総合評価 53/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 43%

この本について

人と関わっていると、ときどき「この人の本心ってどこにあるんだろう」と分からなくなる瞬間がありますよね。相手の言葉が借り物に見えたり、家族でも互いの粗探しばかりしているように感じてしまったり。そこまで極端じゃなくても、建前だらけの空気に少し疲れてしまうことは、誰にでもあると思います。 『ボトルネック』を読んでいると、そのモヤモヤと向き合うきっかけが自然と生まれます。登場人物たちの、まっすぐでも善人でもない感情が淡々と描かれるので、「人ってこんなふうに揺れていいんだよな」と思わされるんです。明るさが他人を救っても、自分には刺さない日があること。正しさを語りながら、その裏に別の感情がうごめいていること。そういう“面倒な本音”を、無理に綺麗に整えないところが、この作品の大事なところだと感じます。 そしてもう一つ、誰かの言葉や価値観に簡単に染まってしまう怖さにも触れています。たまたま側にいた人の色に染まっていく弱さや、逆に「やらないと後悔するかもしれない」という衝動だけで動いてしまう瞬間。こういう揺れ方って、日常の中にも思い当たる場面があるはずで、読んでいてどこか冷やりとします。 人間関係に少し疲れたとき、自分の感情の輪郭がよく分からなくなったとき、静かに刺さる作品です。特に「建前よりも、その奥のわずかな違和感を大事にしたい」と感じている人には、じわっと響くはずです。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
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