
資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
ブランコ・ミラノヴィッチ and 西川美樹
この本について
資本主義って結局どこへ向かうのか……ニュースを見るたびにモヤッとして、でも自分の生活にどう関係しているのかはよく分からないまま。そういう感覚、ずっと自分の中にもありました。グローバル化に疲れた空気や、固定化していく上位層への違和感を言語化できず、ただ「なんだかおかしいよな」と思うだけの日々です。 この本は、その “なんだか” を丁寧に手繰り寄せてくれます。たとえば、リベラル資本主義と政治的資本主義という二つのモデルのちがいを、抽象論ではなく具体的な制度や人の動きから説明してくれるところ。欧米での不平等の固定化がどうして起きるのか──相続税や公教育の弱まりといった、日常の延長にある変化として見せてくれるところ。そして、中国などの成長を「成功物語」でも「脅威」でもなく、下位レベルの試行錯誤から積み上がった制度の変化として読み解く視点。どれも、自分の見ているニュースの背景が少し輪郭を持ちはじめる感覚があります。 世界がどこへ動いているのかを断定する本ではありません。ただ、直線的に未来を語れない時代に、「社会はもっとランダムで、人はもっと複雑だ」と示してくれる。そのおかげで、いまの不安が少し現実的な形に変わる気がします。 社会のしくみを“自分ごと”として理解したい人には静かに刺さる一冊だと思います。
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