
国富論(上) (講談社学術文庫)
アダム・スミス and 高哲男
講談社
この本について
仕事でも日常でも、「自分がやっていることは社会のどこにつながっているんだろう」とモヤッとすることが多いです。効率化だの専門性だのと言われても、その先に何があるのか見えにくいまま続けている感覚、けっこう共有されている気がします。 『国富論』を読むと、そのモヤモヤに少し輪郭が出ます。たとえば分業がなぜ社会全体の豊かさにつながるのか、個々人が自分の利益を追っているだけでどうして社会の収入が最大化されていくのか。抜粋にもありますが、スミスは「誰かが全体を設計したわけではないのに、結果的にそうなる」構造を、具体的な作業の積み重ねから説明してくれます。ピン工場の例なんてまさにそうで、個人の技量や集中が積み上がるだけで、全体の成果が桁違いに変わる。これは今の仕事の実感にもつながります。 同時に、学者や研究者の役割が分業の一部として描かれているのも興味深いです。抽象的な知識であっても、社会が進歩すると必要になるし、専門性の細分化は決してムダな贅沢ではない。自分の担当領域に閉じこもっているように見えるときでも、それが全体のどこかで価値につながっている可能性を思い出せます。 自分の仕事が社会にどう組み込まれているのかを一度フラットに見直したい人には、ゆっくり効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの83%が集中しています。
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NHK 100分 de 名著 カール・マルクス『資本論』 2021年 1月 [雑誌] (NHKテキスト)
NHK出版 日本放送協会

武器としての「資本論」
白井 聡
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