
科学の社会史 ──ルネサンスから20世紀まで (ちくま学芸文庫)
古川安
この本について
仕事でも日常でも、「自分が扱っている知識って、そもそもどこから来たんだろう」とふと立ち止まる瞬間があると思います。専門化が進むほど全体像が見えなくなったり、技術と学問の境界が揺れたり、そもそも科学は中立なのかというモヤモヤが残ったまま進んでしまう感じ。僕自身、このあたりを曖昧にしたまま走ってきたところがあって、ずっと引っかかっていました。 『科学の社会史』は、その曖昧さを歴史という長いスパンで整理し直してくれる本です。たとえば、科学が昔は哲学や宗教と混ざった営みだったこと。科学者という職業も、最初から存在していたわけではなく、社会の制度や政治、産業と絡まりながら少しずつ形を変えてきたこと。そして、技術のための科学という発想も、突如生まれたものではなく、さまざまな国や時代の事情が積み重なって生まれてきたこと。抜粋を読んだ方が保存したポイントからも、科学が決して「必然の一本道」でできてきたわけではないという視点に強く反応しているのが伝わってきます。 この本が効くのは、専門や仕事で知識を扱っているのに、背景の文脈が抜け落ちている気がする人です。全体像が見えない不安が少し和らぎ、自分がどの地層の上に立っているのかが見えてくる。僕にとっては「科学ってこうして社会と一緒に形を変えてきたのか」と腹落ちすることで、日々の情報や技術にも距離感を持てるようになりました。 とくに、知識の扱い方に行き詰まりを感じている人に刺さると思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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