
わかりやすいはわかりにくい? ――臨床哲学講座 (ちくま新書)
鷲田清一
累計読者数3
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star総合評価 30/100
boltライト読書型
この本について
なんとなくですが、最近「わかったつもり」で毎日を処理してしまっている感覚ってありませんか。仕事でも人間関係でも、複雑な問題ほど早く結論を出したくなるし、自分の理解の枠に押し込んで安心したくなる。でも、そうやって無理やり整えた説明が、あとからほころびだらけだったりします。僕自身、考える体力が落ちているような気がして、この本を手に取りました。 『わかりやすいはわかりにくい?』が効いてくるのは、「すぐに答えに飛びつかない」という態度を、理屈ではなく感覚として思い出させてくれるところです。困ったときほど潜水のように時間をかけること、正解のない状況にそのまま向きあうこと、自分の理解方式では測れないものを前にしたときこそ思考が育つこと。読んでいると、焦って結論を出そうとしていた自分の姿がじわっと浮かび上がってきます。さらに、他人と同調できない場面からどう対話を組み立てるのか、社会の複雑さにどう耐えるのかといった、日常ではつい後回しにしがちな視点にも触れられます。自分の関心の外側にある表現や考え方にあえて触れることが、思考の補助線になるという指摘は、仕事の場でもかなり実感があります。 「なんとなく答え急ぎしてしまうクセがある人」には特に刺さる本だと思います。派手な処方箋があるわけではないのですが、読み終えると、少しだけ呼吸が深くなるような、不思議な間合いの変化が残ります。
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