
メルロ=ポンティ 可逆性 (講談社学術文庫)
鷲田清一
累計読者数8
平均ハイライト数 8.6件/人
推定読了時間 約6時間49分
star総合評価 46/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 21%
この本について
仕事でも生活でも、「片側だけ見てる気がするな…」というモヤモヤが続くことがあります。数字で割り切るのも違うし、感覚だけでも立ち行かない。主観と客観、言葉と身体、説明と実感――どちらも大事なのに、そのあいだの揺れをどう扱えばいいのか分からなくなる時があります。 鷲田清一『メルロ=ポンティ 可逆性』は、その“あいだ”に宿るものを、押しつけずに丁寧に見せてくれる本でした。読者が保存した箇所にもあるように、メルロ=ポンティは対立する概念を切り離すのではなく、その絡みあいが形になっていく瞬間を追いかけます。読んでいると、何かを理解しようとするとき「説明」ではなく「記述」に立ち返るという感覚が少しずつ身についていき、自分の思考のクセに気づける場面が増えました。また、世界に近づくための“スティル”という発想も、仕事で迷ったときの視点の置き方を変えてくれます。 派手な解決策は出てきませんが、自分が立っている場所そのものを静かにずらしてくれる一冊です。抽象的な議論に惹かれるけれど、その先で何が変わるのかを知りたい人に刺さると思います。
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出版社による紹介
手袋を裏返すと、指先の何もなかった空間に裏返された手袋が存在する。つまり手袋の意味は、手袋の表裏が密着した折り返し点に生成している。あらゆる物事は、内と外が接し織りなす、リヴァーシブルな「襞」にしか存在しないのだ―。これがメルロ=ポンティの「可逆性」である。意識でも物体でもない存在として人間をとらえる「両義性」の思考を、両者の相互交流という視点から深めることで到達したこの考え方により、存在論のあらたな地平は切り拓かれた。そして哲学的反省は閉じた系として完結することを禁じられ、現象学のアクチュアリティは無限に拡大する。
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