
知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性 限界シリーズ (講談社現代新書)
高橋昌一郎
累計読者数14
平均ハイライト数 4.9件/人
star総合評価 47/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 29%
この本について
仕事でも日常でも、「そもそも自分は何を見て判断しているんだろう」と引っかかる瞬間ってありますよね。相手と話が噛み合わないとか、自分の考えが正しいのか確信が持てないとか。考えれば考えるほど霧が濃くなるタイプの悩みです。 この本は、その霧を一気に晴らす…というより、「そもそも霧の中でしか生きられないんだな」と理解させてくれるタイプでした。たとえば、ハンソンの“観察の理論負荷性”を知ると、自分が見ている世界はいつも自分の考え方に染まっているんだと腑に落ちますし、クワインの“指示の不可測性”に触れると、「言葉が世界を正確に指している」という無意識の前提がぐらつきます。虹の色が国によって違う、なんて話も、思った以上に日常感覚を揺らしてきます。 だからといって絶望する本ではなくて、「語りえぬものについて沈黙する」というウィトゲンシュタインの態度のように、どこまでが語れる領域で、どこからが曖昧さを抱えたまま付き合うしかない領域なのか、その境目の扱い方がちょっとだけ上手くなる感じがあります。仕事で意見が割れたときも、「もしかしたら前提の生活形式が違うだけかも」と考え直せるようになりました。 自分の認識や言葉の“揺らぎ”を、一度ちゃんと見つめてみたい人に刺さる本です。
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