
論より詭弁~反論理的思考のすすめ~ (光文社新書)
香西 秀信
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この本について
議論の場で、相手の問いにうまく返せず「自分が間違っているのか…?」と急に不安になることってありませんか。あとから冷静になると、そもそも質問の言い方が不公平だったり、最初から詰ませに来ていただけだったりして、妙な疲れだけ残る。自分もよくやられます。 この本がおもしろいのは、「論理的であること」が常に最適解じゃない場面が、日常にはいくらでもあると淡々と示してくるところです。たとえば、揚げ足取りのような定義要求に真面目に答えず、「あなたの使い方と同じでいいですよ」と返してしまう、あの妙に肩の力が抜けた姿勢。これは論理の放棄ではなく、相手の土俵を見極めて自分を守る技術として描かれています。また、問いそのものが偏っているときに、類似のケースを持ち出して自壊させる、あの“類似からの議論”の使いどころも、具体的にイメージしやすい。 読んでいて感じたのは、こちらが弱く見えるのは、論理そのものではなく「相手の意図を読まないまま正直に答えてしまう姿勢」なんだということです。真面目な人ほどハマる落とし穴を、一段引いた視点で扱ってくれるのがありがたい。 相手のペースに巻き込まれやすい人、議論の場で妙に疲れやすい人には、かなりしっくり来ると思います。
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出版社による紹介
著者は、論理的思考の研究と教育に、多少は関わってきた人間である。その著者が、なぜ論理的思考にこんな憎まれ口ばかりきくのかといえば、それが、論者間の人間関係を考慮の埒外において成立しているように見えるからである。あるいは(結局は同じことなのであるが)、対等の人間関係というものを前提として成り立っているように思えるからである。だが、われわれが議論するほとんどの場において、われわれと相手と人間関係は対等ではない。われわれは大抵の場合、偏った力関係の中で議論する。そうした議論においては、真空状態で純粋培養された論理的思考力は十分には機能しない。
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