
この本について
最近、「行き詰まってる気はするけど、何に行き詰まってるのか自分でもよくわからない」という状態にハマることが多いんです。忙しくもないのに落ち着かず、かといって大きな挑戦をしているわけでもない。周りを見ると順調そうで、ふと自分だけ取り残されているような感覚になる。そんなときに思い出したのが『ワセダ三畳青春記』でした。 この本の面白さは、何かを成し遂げた人の武勇伝ではなく、三畳一間で右往左往している若者たちの「どうしようもなさ」が、妙に自分と重なるところです。たとえば、餃子を食べたい一心で元カノを突然訪ねてしまうような無茶な行動力に、頭ではあり得ないと思いつつも、どこかうらやましさを感じる。あるいは、三味線を必死に練習していたら警察にマークされなくなるという、理屈じゃなく転がっていく展開に、日常の悩みが少し軽くなる。うまくいっていないのに、なまじ最低限は食えてしまうせいで生活を変えられない、というぼやきもリアルで、「ああ、こういう停滞って誰にでもあるんだ」と安心します。 過去の若者文化を美化せず、でもどこか温かいまなざしで描いているので、読みながら自分の現在地が少しだけ整う感じがあります。昔のものに目を向けると大人が急に寛大になる、というくだりも妙に沁みました。 いまの暮らしに刺激がほしいわけじゃなくて、「自分はこれでいいのか」の答えがぼんやり欲しい人に刺さる本です。
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