
NHK「100分de名著」ブックス 夏目漱石 こころ
姜 尚中
NHK出版 / 2014-05-24
この本について
最近、時代の変化についていけないというか、自分だけ取り残されているような感覚を抱くことがありませんか。周りはちゃんと前に進んでいるのに、自分は何を目指せばいいのかよく分からない。意欲が湧かない理由すらつかめないまま、日々をやり過ごしてしまう。僕自身、同じような停滞感に何度もぶつかってきました。 姜尚中さんの『夏目漱石 こころ』を読んで印象的だったのは、「時代と心は切り離せない」という視点でした。自分の迷いを個人の弱さとして処理してしまいがちですが、そもそも時代そのものが生きる意味を語ってくれないと、人は動きようがない。そう言われると、不思議と肩の力が抜けていきます。また、漱石が描いた“何もできないまま悩みに沈んでいく人間”の姿が、弱さを責めるためではなく、心の深淵を丁寧に見つめるために置かれていることにも救われました。モラトリアムの時間すら許されない現代だからこそ、この視点の変化は大きいです。 さらに、漱石が謎を解かず、読み手に多様な受け取り方を開いたまま残しているという指摘も、今の僕にはしっくりきました。自分の心は単純に説明できないし、誰かに明快に整理してもらう必要もない。むしろ“分からないまま抱えていていい”という余白が、人を前に進ませることもあるのかもしれません。 行き場のない迷いを抱えたまま生きている人、自分の停滞に理由を求めすぎて疲れてしまった人には、静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




