
『樋口一葉全集・46作品⇒1冊』
樋口 一葉
累計読者数3
平均ハイライト数 1件/人
star総合評価 30/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 42%
この本について
人との距離をどこまで縮めていいのか、逆にどこで引くべきなのか、その感覚がわからなくなるときってありますよね。好きだからこそ退く、憎いわけじゃないのに遠ざかってしまう――あの複雑さに説明なんてつかないし、自分でも扱いづらい気持ちが胸の中に残り続ける。今回保存されていた一葉の言葉は、まさにその「言えない揺れ」をそのまま置いてくれているように感じました。 この全集は、そうした心のもつれに名前をつけようとはしません。むしろ、一葉自身が迷いながら書き残した感情の揺れがそのまま出てくるので、自分の中の曖昧さを抱えたままページをめくれるのが救いになります。たとえば、誰かを思いながらも踏み込めないときに、その躊躇が弱さではなく「そういう身も世の中にある」と静かに示してくれるところ。あるいは、相手の心を知らない苦しさを責めに変えず、ただそこに漂わせてくれるところ。読みながら、自分の感情にも同じ複雑さがあったんだなと気づけます。 派手な結論は出ませんが、感情をまっすぐ言語化できない自分を責めがちな人には、かなりしみると思います。気持ちの整理というより、「今の自分でもいい」と思える余白をくれる一冊です。
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