
『石川啄木全集・83作品⇒1冊』
石川 啄木
累計読者数3
平均ハイライト数 8.7件/人
star総合評価 46/100
trending_up後半加速型
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この本について
仕事に向かう途中や、帰りの電車の中でふと「このままの気持ちで大丈夫なのか」と不安になる時があります。理由がはっきりしないのに胸がざわついたり、なんでもない瞬間に自分の弱さだけが浮き上がってくるような、あの感じです。啄木の短歌を読んでいると、その揺れそのものが昔から人間の中にあったんだなと、少しだけ落ち着く瞬間があります。 抜粋に並ぶのは、泣き飽れて鏡に向かう姿や、行くあてもないまま汽車を降りてしまう衝動、ふと「世のならわしに慣れてしまった」と気づく寂しさ。どれも大ごとではないのに、じわっと自分の奥に触れてくるものばかりで、読んでいると「ああ、自分だけじゃなかったんだ」と肩の力が抜けます。特に、怒りや虚しさの持っていき場が分からず戸惑う感じが、生々しいほど今に通じていて、気持ちが言語化されるような感覚があります。 この一冊は、前向きに変わろうとか、人生を劇的に良くしようという類の本ではありません。ただ、曖昧なまま抱えてきた感情に名前を与えてくれることで、自分との距離の取り方が少しだけ変わる。そういう意味で、日常のざらつきをそのまま抱えている人にほどしっくりきます。 「気持ちの説明書みたいなものを、誰かにもらえたら」と思ったことがある人には、特に刺さると思います。
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