
金子みすゞ名詩集
金子みすゞ
彩図社 / 2011-07-06
この本について
忙しく過ごしていると、自分の気持ちに鈍くなる瞬間があると思います。相手の言葉に過敏になったり、逆に何も感じないふりをしてやり過ごしたり。大人として普通に生きているだけなのに、心の余白がどんどん小さくなっていくような感覚です。そんなときに金子みすゞの詩を読むと、自分でも気づいていなかった「まだ残っていたやわらかさ」をそっと拾ってくれるように感じました。 たとえば「ちいさい私の こころは大きい」という一節は、背伸びしがちな日常から離れて、子どもの頃の感受性を思い出させてくれます。大したことじゃないと思っていた気持ちにも、ちゃんと広がりがあるんだと思える。あるいは「土は打たれれば畠になり、踏まれれば路になる」という詩に触れると、つらい出来事に意味を与えるのではなく、ただ「いろんな在り方がある」と受け止める余裕が戻ってきます。善悪とか成功失敗ではなく、どの状態にも役割があるという視点が、肩に力を入れずに自分を扱うきっかけになるんですよね。 そして「みんなちがって、みんないい」や「こだまでしょうか」の詩は、人との距離感で悩みやすい人ほど染みると思います。相手の反応は自分の鏡のようで、だからこそ丁寧に接したいのに、うまくいかない日もある。そんな揺れを否定しないまま、少しだけ優しく整えてくれる言葉が並んでいます。 人に振り回されやすかったり、自分の気持ちの扱いに迷いがちな人には、特に静かに届くと思います。大きな答えがほしいわけじゃない日、ただ呼吸を整えるように読める一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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