
青い城 (角川文庫)
モンゴメリ、谷口 由美子
KADOKAWA
この本について
人づき合いや家族の前で、本音を出しきれないまま歳だけ重ねていくと、「このまま何も変わらないのかな」とふと不安になることがあります。周りから期待される“いい人”として動いてしまって、気づいたら自分の感情がどこにあるのか分からなくなるような、あの妙な息苦しさです。僕も似たような時期があって、誰かに会うだけで身構えてしまう自分に、ちょっと疲れていました。 『青い城』を読んだとき、抜粋にあるようなヴァランシーがふと身震いする場面に、妙に心を持っていかれました。相手が何を考えているのか分からない空気、気まずさとも違う静かな緊張感。でもその奥に、長く押し込めていた自分の感情が動き出す気配があるんですよね。彼女が少しずつ自分の選択を取り戻していく過程は、派手な逆転劇ではなく、日常の延長線にある小さな決断の積み重ねとして描かれています。その現実感が、自分にも「こういう変わり方ならできるかもしれない」と思わせてくれました。 この物語が効いてくるのは、誰かの機嫌や期待に合わせて生きてきた人が、自分の人生にもう一度手を伸ばしたいと感じたときです。嫌なことにノーと言う勇気とか、心が動いた瞬間を無視しない態度とか、そういうごく小さいけれど大事な行動がどう積み重なるのかが丁寧に描かれています。無理に前向きになれと言われるのはしんどいけれど、「自分のペースでも変われるのかもしれない」と思いたい人には、静かに寄り添ってくれる一冊だと思います。 いまの生活を大きく変えたいわけじゃないけれど、このままでは少し息が詰まりそうだと感じている人に、特に刺さる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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