
現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義 (講談社現代新書)
池内恵
講談社 / 2002-01-20
この本について
最近、「世界で起きている対立って、そもそも何が根っこにあるんだっけ」と考え込んでしまうことがあります。ニュースの断片だけ追っていると、単純化された善悪の物語に引きずられそうになるし、自分の理解がどこか浅いまま止まっている気がして落ち着かない。そんなときに、この本に出会いました。 読者が保存していた抜粋を眺めると、多くの人が「絶対悪の物語がどう生まれるのか」「終末論が人をどこまで動かすのか」「地下で育った思想が地上にあふれ出す瞬間」みたいな部分に反応しているように思います。つまり、表面的な政治の話というより、“世界観がどう歪み、どう広がってしまうのか”に心が引っかかっている人が多いのだと思います。そこに、この本は丁寧に踏み込みます。 たとえば、敗北や停滞が続くと、人は「既に解決された理想状態」という物語に逃げ込みやすくなること。イスラーム世界で語られる「終末」や「陰謀」は、それ自体が恐怖と救済を同時に与える構造になっていること。そして、地下で生まれた物語が、ある日ふいに政治に乗り上がることが実際に起こり得ること。こうした視点は、遠い国の話というより、自分たちが生きる社会でも似たことが起きていないか考えさせられます。 専門書ではありますが、読んでいると「単純化された物語に心が奪われる瞬間は、誰の中にもあるよな」と静かに自分ごとに引き寄せられる。そんな感覚を持てる本です。世界の見え方を一段深くしたい人に刺さります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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