
はじめての哲学的思考 (ちくまプリマー新書)
苫野一徳
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この本について
ときどき、人と話していて「そもそもこの議論って何を争ってるんだっけ…?」と急に冷める瞬間がありませんか。正しさをぶつけ合っているだけで、結局どこにも進まない感じ。僕自身、仕事でもプライベートでもこの堂々巡りに巻き込まれがちで、どう折り合いをつけるのかずっと迷っていました。 この本を読んで刺さったのは、そんな行き詰まりに対して“視点をずらす”ための具体的な方法がちゃんと書いてあるところです。真か偽かの二項対立をいったん降りて、お互いの確信や前提を見つめ直す「共通了解」という考え方は、議論の目的そのものが変わる感覚があります。また、自分の欲望がどこから来ているのかをたどっていく話も現実的で、落ち込んだときにキッチン掃除から世界の“意味”を取り戻すという例は、意外と効きました。ああ、まずはここからでいいんだなと。 哲学って難しいことを考える学問だと思っていたけれど、読んでみると、むしろ日々のモヤモヤの扱い方を丁寧に教えてくれる感じに近いです。議論に疲れた人、自分の欲望の向きが分からなくなっている人には、けっこう静かに響くと思います。
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