
日本銀行 我が国に迫る危機 (講談社現代新書)
河村小百合
講談社 / 2023-03-16
この本について
最近、自分でも「金利が上がると何がそんなに危ないのか」とか「円安って結局どこまで放置していいものなのか」といった疑問が頭のどこかに居座り続けていて、ニュースを見るたびにざわつくことが増えました。分かったような気もするし、全然わかっていない気もする。そのモヤモヤを、いったん腰を据えて整理したい人には、この本がかなり役に立ちました。 読んでみて強く感じたのは、日銀の問題を「政策の是非」で片付ける話ではなく、もっと現実的な制約の中で何が起きているのかを、生活者目線にも近いところまで落として説明してくれる点です。たとえば、利上げが必要になった瞬間に日銀自身が赤字に陥る構造にあることや、通貨への信認が揺らぐと財政危機の連鎖が起きる理由など、ニュースではぼんやりしたまま流れていく部分が「これってこういう意味だったのか」と骨太に腑に落ちます。 もう一つ助かったのは、「何が危機なのか」を煽らずに示してくれるところです。出口を誤ると負担は結局、国民に跳ね返るし、日銀だけの問題ではなく、私たちが税や財政をどう理解し、どう向き合うかという話でもある。政治や経済にそこまで明るくなくても、自分の暮らしとつながる話として捉えられる視点をくれます。 専門書ほど硬くないのに、表面的な安心だけを与えない。この本は、経済ニュースを追うたびに「結局どう考えればいいのか…」と立ち止まってしまう人に刺さると思います。目先の不安を煽らず、でも大事なところは避けずに向き合わせてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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