
日中戦争への道 満蒙華北問題と衝突への分岐点 (講談社学術文庫)
大杉一雄
累計読者数3
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star総合評価 34/100
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この本について
最近、組織の中で「誰が実質的に意思決定しているのか」が見えづらくて、妙な無力感を覚えることがあります。表向きの権限と、実際に動かせる力がズレているとき、人はどう振る舞うべきなのか。そんなモヤモヤに、この本はかなり刺さります。 読んで一番驚いたのは、当時の日本もまさにそのズレの中でもがいていたということでした。統帥権や軍部大臣現役制といった制度の問題があったとはいえ、実際には「暴力を行使しうる側」が優勢になった瞬間、政治も外交も形骸化していく。そのプロセスが、関東軍の独走や外務省の追認といった具体的な場面で淡々と描かれていて、教科書的な説明とは違う“温度”で伝わってきます。制度があっても抑止力が働かないと意味をなさない、という感覚が妙にリアルです。 また、世論が後押ししたわけでもないのに、既成事実が積み重なることで不可逆になっていくところも、今の私たちの職場や社会の動きと重ねてしまいます。本当に誰も大きな戦略を持っていないのに、目の前の成功体験や雰囲気で流れが作られてしまう。その危うさを「歴史の話」として突き放さず、現在の意思決定の癖を見直すきっかけとして読める一冊でした。 「組織の意思決定がなぜ歪むのか」に長いこと引っかかっている人に、静かに効く本だと思います。
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