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ナオミとカナコ

ナオミとカナコ

奥田英朗

幻冬舎 / 2017-04-11

累計読者数4
平均ハイライト数 9.5件/人
推定読了時間 約6時間11分
star総合評価 49/100
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この本について

忙しさに追われていると、正しさとか、優しさとか、そういう基準がぐらつく瞬間ってありませんか。普段なら気にするはずの小さな罪悪感も、状況が切羽詰まると一気に後ろに押しやられていく。あとで振り返って「あれ、自分ってこんな判断するんだっけ」と少し戸惑うようなあの感じです。 『ナオミとカナコ』を読んでいて、抜粋されていた「生存がかかっていると、日常の悩みなど悩みでなくなる」という一文に、同じ空気を強く感じました。ふたりの行動は決して褒められたものではないし、周囲の中国人コミュニティのしたたかさも綺麗な言葉では説明できません。でも、その“綺麗じゃなさ”の中に、人が追い込まれた時の等身大の判断が描かれていて、読みながら自分のグレーな部分も静かに突かれるような感覚がありました。 さらに、登場人物の細かな言動や語彙から漂う、ためらい、逡巡、暗澹とした空気がリアルで、誰かを責めながらも自分も完全には正しくいられないという、あの嫌なバランスが丁寧に掬われています。だからこそ、物事を白黒つけるよりも「人は状況次第で変わる」という視点をもらえるし、自分の判断に悩んでいる時の小さな拠り所にもなります。 きれいごと抜きで、人間の“揺れ”をそのまま見たい人に刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美は、あるとき、親友の加奈子が夫・達郎から酷い暴力を受けていることを知った。その顔にドス黒い痣を見た直美は義憤に駆られ、達郎を排除する完全犯罪を夢想し始める。「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」。やがて計画は現実味を帯び、入念な準備とリハーサルの後、ついに決行の夜を迎えるが……。
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