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最悪 (講談社文庫)

最悪 (講談社文庫)

奥田英朗

講談社 / 2002-09-15

累計読者数7
平均ハイライト数 3.9件/人
推定読了時間 約7時間55分
star総合評価 45/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 33%

この本について

仕事でも生活でも、ちょっとした判断ミスが雪だるまみたいに大きくなっていく時期ってありませんか。逃げ場がなくて、でも誰にも言えなくて、「もう全部いやだな」と思う夜が続くようなやつです。こういう時って、前向きな言葉よりも、誰かの“転がり落ちる音”のほうが不思議と落ち着きをくれることがあります。 奥田英朗の『最悪』を読んでいると、まさにその転がり落ちていく感情が、やけにリアルに胸に残ります。たとえば「いやなことがあるというのは、人生の真っただなかにいる証拠だ」という一文。きれいごとに聞こえるはずなのに、ここでは泥のついた重みのまま出てくる。そして、人が追い込まれたときに自尊心が崩れていく瞬間の描写や、「戻りたい過去なんてない」と言い切る冷めた視点も、妙に理解できてしまう。登場人物たちがまっすぐではない分、読んでいる側の弱さまでちゃんと扱われている感じがするんです。 この物語が効くのは、元気になりたいときじゃなくて、もう元気を出す余力もないとき。完璧じゃなく、愚かにもなり、逃げたくもなる人間の姿をそのまま置いてくれるから、逆に自分を責める力が少し抜ける。最悪の中にも、どこか生活の手触りみたいなものが残っていて、そこが救いになります。 「もうちょっとだけ現実と向き合う気力がほしい人」に届く一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢(あつれき)や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった3人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説、待望の文庫化! (講談社文庫)
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