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空中ブランコ ドクター伊良部

空中ブランコ ドクター伊良部

奥田 英朗

累計読者数7
平均ハイライト数 7.6件/人
star総合評価 57/100
trending_up後半加速型
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この本について

仕事で言葉を扱っていると、「自分なんて正しく伝えられていないんじゃないか」「周りの期待に応えられていないんじゃないか」と不安になることがあります。感情がはちきれそうな日もあるし、他人の成功にいちいち揺れる日もある。わかっていても止まらない。そういう、自分の扱いにくさみたいなものに疲れる瞬間ってありますよね。 『空中ブランコ』の中でも、登場人物たちはみんな揺れっぱなしです。強迫に悩んだり、言葉の仕事に誇りを持てずに苦しんだり、誰かを傷つけそうになる自分にぞっとしたり。読んでいて驚くのは、そのどうしようもない感情が、妙にリアルで、こちらの心の奥にもあるものを勝手に引っ張り出してくるところです。でも伊良部の前に立つと、彼らは少しずつ自分を言語化し、混乱に「名前」がついていく。その過程が、見ているこちらの呼吸まで整えてくれるんですよね。 この本が効くのは、完璧さを求めすぎて自分を追い詰めがちな人だと思います。「弱いところを言葉にしていいんだな」とか、「人に助けをもらっていいんだな」とか、現実的で静かな気づきがぽつぽつ積み上がる感じがあって。派手に人生が変わるわけではないけれど、日常のどこかで、ふと肩の力が抜ける瞬間が増える本です。 自分の扱いづらさを抱えたまま、それでも前に進もうとしている人に届けばいいなと思います。

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