
骨を彩る (幻冬舎文庫)
彩瀬まる
累計読者数4
平均ハイライト数 10件/人
star総合評価 53/100
menu_book精読型
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この本について
人の気持ちに向き合おうとするほど、自分の中の弱さや濁りみたいなものが噴き出してきて、結局うまく扱えないまま終わってしまうことってあります。優しくしたいのに怖くなるとか、過去の誰かを理解しようとした途端に、自分の解釈が相手を汚している気がするとか。そんな、言葉にしづらいモヤモヤを抱えている人には、この本が妙に刺さります。 『骨を彩る』に出てくる人物たちは、立派でも強くもなくて、むしろ情けないほど傷つきやすいままです。亡くなった人を飴玉みたいにきれいにしてしまう気持ちや、他人の弱みに乗ってしまう瞬間、誰かに頼りたいのに口に出した途端にみっともなく感じてしまう感覚。読んでいると「自分だけじゃなかったんだな」と、少し肩が下りる場面が何度もありました。 特に効いたのは、「背負わなくていい他人の荷物まで、自分が持たなきゃいけない気がしてしまう」あの疲れの正体を、丁寧にほどいてくれるところと、「本当は欲しかったけど言えなかった言葉」がどんなふうに人を縛り続けるのかが、具体的に描かれているところでした。格言めいた押しつけはなくて、登場人物の小さな行動から、自分の中の癖や痛みに気づかされる感じです。 人間関係の“ばらばらさ”をずっと抱えたまま生きてきた人、うまく言えなかった気持ちが心のどこかに刺さったままの人には、とても静かに響く一冊だと思います。
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