
青い鳥(新潮文庫)
重松 清
この本について
人間関係で、どこまでが「ただの好き嫌い」で、どこからが誰かを傷つけてしまうのか。頭では線引きできるはずなのに、実際にはそんな単純じゃなくて、モヤモヤを抱えたままやり過ごしてしまうこと、けっこうありますよね。気づかないうちに誰かの声を踏みにじっていたかもしれないし、逆に自分の苦しさを誰にも分かってもらえなかった経験が残っている人も多いと思います。 『青い鳥』は、そのモヤモヤを言葉で解決してくれる本ではないけれど、「ああ、こういう気持ちって確かにあったな」と心の底をそっと照らしてくれる一冊でした。刺さっていた抜粋を読むと、多くの人が反応したのは、いじめや人間関係を“仕組み”として語るのではなく、誰かの小さな表情の揺れや、言葉がつっかえる瞬間の息苦しさを丁寧に拾っている部分なんですよね。行動や態度の前に、その人が抱えている痛みがほんとうに存在するんだと知らせてくれる描写が多い。 そして、この本が効いてくるのは、正しさを選ぶ話ではなく、「苦しんでいる声に耳を澄ませるとはどういうことか」を、自分の生活に引き寄せて考えたくなるところです。誰かを守るのに大げさな行動はいらないけれど、嘘や取り繕いに頼らずに向き合うには、やっぱり覚悟が要るんだな、と気づかされました。ポケットの中のハンカチにすがるような、あの小さな不安も見逃さない視点が、この物語の魅力だと思います。 人の気持ちにどう向き合えばいいのか分からなくなる人、もしくは「自分の痛みは誰にも伝わらない」と感じやすい人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの59%が集中しています。
読書の順序
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