
その日のまえに (文春文庫)
重松 清
文藝春秋 / 2008-09-10
累計読者数9
平均ハイライト数 3.9件/人
推定読了時間 約3時間52分
star総合評価 51/100
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この本について
最近、理由のはっきりしない不安にずっとまとわりつかれているような感覚を抱える人、多い気がします。忙しいわけでもないのに落ち着かなくて、何をしていてもそわそわする。悲しいわけでもないのに胸がざわつく。僕自身、そういう時期が長く続いたことがあって、「この状態に名前がつけば、もう少し楽なのに」と何度も思いました。 重松清『その日のまえに』は、まさにその”名前のつかない不安”に手を伸ばすような本です。作中では「不安には輪郭がなくて、悲しみのほうがまだ扱いやすい」と語られます。この感覚、刺さる人には刺さりすぎると思います。悲しみは深いけれど触れ方を覚えられる。不安は霧のようにまとわりつき、避けることもつかまえることもできない。その違いを言葉にしてくれるだけで、呼吸が少しだけ整うように感じました。 もうひとつ、この本が優しいのは「日常の強さ」を描いてくれるところです。大切な人の病気や別れの中でも、生活はいつも通り続いてしまう。その事実は残酷にも思えるけれど、同時に人を支える柱にもなる。派手なカタルシスではなく、毎日を淡々と積み重ねることそのものに救いを見つけていく物語は、焦って走り続ける日々にひと息入れてくれます。 あとになってからしか気づけない感情を抱えたことがある人、あるいは「終わらせるのも始めるのも怖くて動けない」と感じている人に、静かに寄り添ってくれる一冊です。
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出版社による紹介
余命の告知を受けた妻と、新婚時代のアパートを訪ねる僕たち…「その日のまえに」。妻の最期を、二人の息子とともに見届ける「その日」。妻が亡くなった病院の看護師さんから、ある日、お目にかかりたい、と連絡がきた…「その日のあとで」。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか──。死と向かいあう人々の切なくもけなげな姿を描き、幸せの意味をみつめる連作短篇集。“王様のブランチ”で「BOOK大賞」を受賞した涙の感動作!
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