ヨムナビ
冬に子供が生まれる

冬に子供が生まれる

佐藤正午

小学館 / 2024-01-30

累計読者数5
平均ハイライト数 2.6件/人
推定読了時間 約4時間50分
star総合評価 20/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 10%

この本について

最近、理由のよく分からない不安に急に襲われることがありませんか。誰かとの約束を忘れている気がしたり、自分のせいで誰かをがっかりさせているような気がしたり。でも根拠はない。ただ胸の奥がざわつく。僕自身、こういう“説明できない焦り”に周期的にとらわれます。 佐藤正午『冬に子供が生まれる』は、その感覚を無理に言葉で整理しようとせず、むしろ「ああ、こういう曖昧さの中で生きていていいんだ」と思わせてくれる小説でした。記憶がすり抜けていく感触や、名前が似ている同級生たちの関係の曖昧さ、いつの間にか世界がわずかにズレていく感じ。派手な事件が起きるわけではないのに、ページをめくるたびに自分の中の“忘れている何か”が静かに揺さぶられます。トイレの水が逆向きに流れても誰も気づかない、そんな世界の微細な違和感の描き方が妙に日常と地続きで、読んだ後しばらく頭に残ります。 この本が効くのは、曖昧なままの記憶や感情に、無理に意味づけしなくてもいいという感覚を取り戻せるところだと思います。自分の中の“説明できないざわつき”を押し込めるのではなく、そっと眺められるようになる。そういう変化がじわっと起きます。 こんな人に刺さります。曖昧さに耐えるのがしんどいけれど、答えをひとつに決められないまま生きている人。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

佐藤正午の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作! その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。 現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。 彼が目にしたのはこんな一文だった。 今年の冬、彼女はおまえの子供を産む これは未来の予言。 起こりうるはずのない未来の予言。 だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。 これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。 そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。 丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。 三十年前にかわした密かな約束、 二十年前に山道で起きた事故、 不可解な最期を遂げた旧友…… 平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。 『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要