
西瓜糖の日々 (河出文庫)
リチャード・ブローティガン、藤本和子
河出書房新社 / 2003-07-04
この本について
最近、なんとなく気持ちがざわつく日が多くて、理由はよくわからないのに「世界がちょっと歪んで見える」ことがあります。人間関係でも、怒っているのか怒っていないのか自分でも判断がつかなくなる瞬間があったり、ふとした匂いや光の色で気持ちが揺れたり。説明できない出来事ばかりなのに、なぜか生活は続いていく。この本を読んだ人が保存していた抜粋を眺めていると、その感覚にすごく近い気がしました。 『西瓜糖の日々』は、筋道の通った答えをくれるタイプの本ではありません。でも、不思議と自分の中のモヤモヤをそのまま置いておける余白をくれます。例えば、色のちがう太陽が出てきたり、「忘れられた物」が積み上がっていたり、人が淡々と親指を切り落としたり。突拍子もないのに、読んでいると「こういう日もあるよな」と思えてしまう。その感覚が妙に救いになるんです。怒っているのかいないのか曖昧な会話や、生活のちいさな手触りに安心を感じる描写など、日常のひび割れにそっと触れるような場面が続きます。 物語としては幻想的なのに、感情の揺れ方だけはやけにリアルで、読んだあとに「説明できないことのほうが人生には多い」という当たり前を受け入れやすくなる気がします。はっきりした答えがほしい時期より、むしろ「いまは整理できない」と感じているときにしっくりくるタイプの本です。 こんな人に刺さると思います。自分の気持ちが言語化できなくても、とりあえず前に進まなきゃいけない日々をなんとかやっている人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
読書の順序
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