
ソーラーバブル崩壊―週刊東洋経済eビジネス新書No.98
中島 順一郎, 中村 稔, 許斐 健太, 渡辺 清治, 内田 利枝, 福山 智美, 中野 法子, 筒井 幹雄, and 小林 由依
この本について
エネルギーの話って、なんとなく「大事なのは分かるけど、結局どうなってるのかよく分からない」と感じることが多いと思います。再生可能エネルギーはいいはずなのに、現場ではなぜ混乱が起きるのか。制度が変わると何がどう動くのか。そのあたりのモヤモヤは、僕自身もしばらく放置していました。 この本は、いわゆる理念や未来像よりも、実際に起きた“詰まり”に焦点を当てています。読者の方が保存していた「FITに申請が殺到して、電力会社が受け入れ回答を保留した」という部分はまさに象徴的で、理想と制度と現場のキャパのズレがどれだけ大きかったかがよく分かります。読み進めると、なぜ高い買取価格を設定すると市場がこう動くのか、そしてそれがどんなタイミングで破綻の兆しにつながったのか、当時の空気感ごと掴めるのが大きいです。 個人的に効いたのは、制度の表向きの“良さ”だけでは判断できないという視点を持てたことと、仕組みへのちょっとした想定不足がどれだけ大きな混乱を生むかを具体的に理解できたことです。エネルギー政策という大きなテーマでも、結局は「人や組織がどう動くか」という話に落とし込んで読めるので、自分の仕事の判断基準にも少し重ねやすいと思います。 未来の再エネを語るというより、「過去に実際に起きた混乱を地に足つけて知りたい人」に刺さる本です。理想と現実のギャップに少しでも引っかかりを感じているなら、一度読んでおく価値はあります。
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