
毒見師イレーナ イレーナシリーズ (ハーパーBOOKS)
マリア・V・スナイダー、たえ、渡辺由佳里
ハーパーコリンズ・ジャパン / 201507
累計読者数4
平均ハイライト数 2件/人
star総合評価 40/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 47%
この本について
仕事でも人間関係でも、「選べることなんてほとんどないな…」と思う日ってありますよね。自分の意思とは別に環境が決まっていて、その中でなんとか呼吸だけしているような感覚。私もよくそこで足が止まります。 『毒見師イレーナ』を読んで印象に残ったのは、まさに“選択肢なんてほぼゼロ”の状況から物語が始まることです。死刑か毒見師か、という究極の二択に放り込まれた主人公が、ただ生き延びるために感覚を研ぎ澄まし、制度に押しつぶされそうになりながらも、少しずつ自分の判断を取り戻していく。そのプロセスが、追い詰められたときほど冷静さが役に立つことを思い出させてくれます。また、この世界の「行動規範」のような絶対的なルールの前では、正しさよりも状況理解の方がよほど重要だという視点も刺さりました。自分の味覚や嗅覚をどう扱うかの描写も、環境に奪われた感覚を取り戻すようで妙にリアルです。 大げさな“逆転”があるわけではないのに、イレーナが毎回ぎりぎりで踏ん張る姿が、自分の生活の中の小さな選択にも重なってくるんですよね。選べない状況でも、選び方だけは自分で持っていたい人に合う本だと思います。 「環境に振り回されている気がするけど、それでも自分の感覚を信じたい」そんな気持ちのある人に静かに効く一冊です。
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