
スクラップ・アンド・ビルド (文春e-book)
羽田圭介
文藝春秋 / 2018-05-10
累計読者数4
平均ハイライト数 1.8件/人
推定読了時間 約1時間18分
star総合評価 42/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 54%
この本について
年を重ねた家族の介護に向き合うとき、「助けたい気持ちはあるのに、どう振る舞えばいいのか分からない」「優しくしたつもりが、相手には違う形で届いてしまう」みたいな噛み合わなさに疲れてしまうことがあります。手を差しのべれば過干渉になる気がして、見守れば冷たい人間みたいに思われる。この間でずっと揺れている人、多いと思います。 『スクラップ・アンド・ビルド』は、その揺れそのものを正面から書いた小説です。主人公が祖父の“死にたい”という願いと向き合う中で感じる、罪悪感とも優しさともつかない感情の重さが、抜粋にもにじんでいます。手を貸さずに見守るほうが実は消耗すること。行為の裏にある思いやりが、他人からは利己的に見えること。こういう、口に出しにくい本音を代わりに言語化してくれるので、自分の感情の立ち位置が少しだけ整理されていきます。 読んでいて感じたのは、「正しい介護の方法」みたいな話ではなく、むしろ“答えのない状況で人がどう揺れるか”を丁寧に描いているところでした。だからこそ、行動の判断ではなく、揺れながら関わろうとしている自分を許せる余白が生まれます。 介護や家族との距離感に、うまく言葉にできないモヤモヤを抱えている人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
「じいちゃんなんて、早う死んだらよか」。 ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつく。自らの肉体を筋トレで鍛え上げ、転職のために面接に臨む日々。 人生を再構築していく中で、健斗は祖父との共生を通して次第に変化していく——。 瑞々しさと可笑しみ漂う筆致で、青年の稚気と老人の狡猾さを描ききった、羽田圭介の代表作。 新しい家族小説の誕生を告げた第153回芥川賞受賞作が待望の文庫化!
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