
丸山眞男セレクション (平凡社ライブラリー700)
丸山 眞男、杉田 敦
平凡社 / 2010-04-01
この本について
政治の話題に触れるたびに、「自分の立場ってこれでいいのか」とか、「今の空気に流されているだけじゃないか」と、ふと立ち止まる瞬間があると思います。僕自身、ニュースを追いながらもどこか他人事になってしまう自分にモヤモヤすることが多くて、その理由をうまく言語化できずにいました。 この本を読んでいた読者が保存していた抜粋を見ていると、「政治的主体として立つってどういうことなのか」という点に強く反応しているのが伝わってきます。丸山眞男は、国民の政治意識の低さを単に権力のせいにするのではなく、歴史的に“受け身のまま”でいる構造そのものを丁寧にほどいていきます。特に、郷土愛は環境への依存にすぎず、本当の意味での“結集”には自覚的な決断が必要だ、という指摘は、今の私たちにもかなり響きます。自分が主体的になれない理由を、怠慢とか無関心と片付けず、「歴史的な習慣としての受動性」として捉え直せるのは、この本の大きな効き目です。 さらに、明治維新が「障害を取り除いたからこそ国民という主体が立ち上がれた」という視点は、制度や外部環境が人の意識にどう影響するかを考えるヒントにもなります。自分が政治や社会から距離を取ってしまう時、その背景にある構造を一段深いところで理解できるのは、ちょっとした視野の開け方でした。 自分の政治的な立ち位置を「決められないままの人」や、「なんとなく不全感があるけど理由が言葉にならない人」に特に刺さると思います。焦って答えを出さなくてもよくて、まず“なぜ悩むのか”の地盤を整えてくれる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの43%が集中しています。
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