
日本の思想 (岩波新書)
丸山 真男
岩波書店 / 2001-01-16
この本について
最近、自分の考えがどこから来ているのか分からなくなる瞬間がありませんか。新しい価値観に触れても、いつのまにか「まあ日本だからこうなるよな」と曖昧に済ませてしまう感じ。過去と現在のあいだに、ちゃんとしたつながりが見えないまま立ち止まってしまうあのモヤモヤに、僕自身ずっと悩んでいました。 丸山真男の『日本の思想』は、その曖昧さの正体を歴史の流れの中で丁寧に照らしてくれます。たとえば、日本では異質な思想が本気でぶつかる前に「まあ共存できるよね」と接合してしまう癖があること。あるいは、新しい概念を素早く取り入れるのに、その背景や文脈を自分たちの側から検証しないまま「分かった気」になってしまうこと。抜粋に多く保存されていた部分から、読者のみなさんもこの“未整理のまま抱え込んでしまう感じ”に強く反応しているように思います。 この本は、答えをくれるというより、自分が立っている場所に輪郭を与えてくれる一冊です。過去が突然「思い出」のように噴き出す現象も、議論が蓄積されないまま立ち消えていく日本特有の流れも、仕組みとして見えてくると、自分の思考のクセにも気づきやすくなります。何を信じるかより先に、「なぜその考えにたどり着くのか」を捉え直したい人に刺さると思います。 歴史や思想に詳しくなくても大丈夫で、むしろ自分の思考の位置づけに不安がある人ほど効く本です。僕自身、この視点を知ってから、新しい知識を受け取る時に立ち止まれるようになりました。
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