
この本について
文章を書こうとすると、どうしても自分の中にある「薄い観察」しか出てこなくて、物語にならないまま止まってしまうことがあります。日常で心が動く瞬間はあるのに、それをどう形にしていいのか分からず、もどかしさだけが残る感じです。 阿刀田高『短編小説のレシピ』は、そのモヤモヤに少し風を通してくれる本でした。印象的だったのは、強い出来事そのものよりも、「過度な状況をほんの少し設定して想像の網をかける」ことで物語が動き始める、という視点です。ショッキングな光景ひとつでは足りなくても、そこに別のストーリーをそっと添えることで、意外な結末へ向かう道ができる。その発想は、小説だけでなく、日常の出来事をどう理解するかにも応用できるところがあります。 さらに心に残ったのは、動機を掘ることがそのまま人間理解につながる、という話です。表面的な利害ではなく、その人がどんな局面でどう揺れるかを見ると、同じ出来事でも深さが変わる。仕事でも人間関係でも、「なぜこの人はこう動いたのか」を考える癖がつくと、状況の見え方が落ち着いてくる感覚がありました。 短編を書きたい人だけでなく、自分の感情や出来事を言葉にするのが苦手な人にも刺さる本だと思います。
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
無料ではじめる
クレジットカード不要








