
90歳、男のひとり暮らし(新潮選書)
阿刀田高
新潮社 / 2025-09-25
累計読者数5
平均ハイライト数 3.8件/人
推定読了時間 約2時間34分
star総合評価 43/100
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この本について
年齢を重ねることについて、どこかでずっと構えてしまう瞬間ってないでしょうか。自分はまだ大丈夫と思いながらも、ふとしたときに「この先どうやって軽やかに生きていけばいいんだろう」と立ち止まる。そんなモヤモヤに、阿刀田高さんの『90歳、男のひとり暮らし』は、肩の力を抜いて向き合うきっかけをくれます。 印象的なのは、読者が保存していた抜粋の多くが“老いをどう受け止めるか”ではなく、“どうやって日々を遊ぶか”に触れているところです。源氏物語を五十四帖すべて思い浮かべてみるとか、百人一首を全部思い出してみるとか、折り紙を折るとか。壮大な人生論ではなく、手の届く範囲で、自分の世界を丁寧に広げていく姿に救われるんですよね。年齢を言い訳にせず、でも無理に若さを追わず、好奇心の中に静かに身を置いている感じがする。 それに、老いや死を“自然のサイクル”として語る一方で、世間の人間模様にはしっかりツッコミを入れていたりして、そのバランスも妙にリアルです。悟りきったわけじゃなく、どこか茶目っ気がある。その距離感が、読者の迷いをそのまま肯定してくれるように思います。肩肘張らずに、でもちゃんと自分の時間を生きたい人に刺さるはずです。 大げさに励ましてくる本ではないのに、読み終わると「人生って案外ひらけてるのかもしれない」と思える。そんな一冊でした。
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出版社による紹介
突然始まった単身生活。モットーは「“まあまあ”でいいじゃないか」。簡素に食事を調え、落語は読んで鑑賞、旧知の場所を訪ね、亡き人の思い出に親しみ、眠れぬ夜は百人一首を数える――迫りくる老いを受け止めながら日々を軽やかに過ごすコツを伝授し、人生の豊かさを再認識させてくれる滋味絶佳の老境エッセイ。
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